マニアフェスタ出展の30名のマニアが、goo blogで一斉に「好き」を綴っていく「マニアブログフェスタ」

 

マニアフェスタ事務局の3名が、7月に投稿された120以上の記事の中で、特にピンときたイチオシ記事を3つずつご紹介する「月刊マニアブログフェスタ」をオンライン開催しました。

 

全編見たい方はコチラから!

 

解説者はこの三人!

マニアブログフェスタ事務局 松澤・齋藤・村田

松澤のイチオシ記事

(1)裏向けられた顔ハメ」(顔はめ姿を裏から撮るマニア・らんちゃん)

 

松澤:らんちゃんは、顔ハメ看板にはまる自分の後ろ姿を、おもしろおかしく紹介している方。顔ハメ看板って通常は表側を向いていますが、たまにこの写真のように、裏側を向けられてるんですよ。

 

 

齋藤:たしかにこの写真も、表面が壁側を向いてますね。

 

松澤:らんちゃんにとっては、この状態になることで、めちゃくちゃ写真が撮りやすくなっている。

 

齋藤:写真を見ても、違和感なかったです。

 

松澤:我々にとってはいつものらんちゃんの姿なので、違和感ないですよね。でもこれ、異常なことなんですよ。

「裏側が表になった顔ハメ看板を、裏側から撮る行為は、もはや表なんじゃないか?」

そう思ったんです。

 

 

村田マイナス×マイナス=プラス、みたいな。

 

松澤:ものすごく深いことを言っているように見えて、メッセージはなにもないです。

 

齋藤:ないんだ(笑)

 

松澤:裏側が表になった顔ハメ看板を裏側から撮るような行為、したことありますか、村田さん?

 

村田:表の花ではなく、鉢の底から出た根っこを観賞しているような行為でしょうか。本来根っこは地中に埋まっているものだけど、表に出た根っこを見ている私……裏側から…………撮る………

 

松澤:無理に論理的にしなくていいですよ(笑)

 

村田:迷子になっちゃいました。

 

松澤:IQが一気に二桁台になりましたね。

 

 

(2)小屋日記17 失われた小屋を求めて」(小屋マニア・小屋愛好会)

 

松澤:小屋マニアの小屋愛好会さんが、以前マニアフェスタ会場で来場者に教えていただいた小屋を実際に訪れてみた。しかしその小屋は既になく、小屋の代わりに柱と植物が生えているだけの場所になっていた。

地図を遡ると、昔は周りが田んぼで、小屋の元の使われ方もわかった……という一連のストーリーが書かれた記事です。

 

 

松澤:この記事を読んだ時、「長いスパンで眺めれば、小屋と介入型片手袋※は似ているのでは?」そう思いました。

※道に落ちている片方だけの手袋を撮影・研究する、片手袋研究家の石井公二さんによる定義。道に落とされたままの「放置型」に対し、誰かが拾ってガードレールなどにかけた片手袋を「介入型」と呼ぶ。

 

村田:……どういうことですか?

 

松澤:介入型片手袋は、誰かの意志でガードレールなどにかけられた状態になっています。しかも常にそこにあり続けるものではない。小屋も同じで、かつて誰かの意志でつくられ目的を果たしている時期があっても、常に同じ状態ではなく、なくなってしまうもの。

小屋マニアさん、もともとこの場所に小屋はないことは事前の下調べでわかっていたけど、あえて行って撮影したんです。何も知らない人がその場所を見ても、ただの交差点。

でも小屋マニアさんにとっては「かつて小屋があった場所」。それって、小屋を見続けていないと、そうは感じないと思うんです。

これって、小屋があることとなこと、何の違いがありますか?!

 

村田前回配信で、信楽狸がいないと感じることと、信楽狸がいると感じることは、同じことという話がでましたが、通ずるところがありますね。

 

齋藤:これは、生命の話でもありますか?

 

村田:記事で、小屋があった場所には木が成長しはじめ、新たな風景がつくられつつあると書かれていました。生命ですね。

 

齋藤:余韻があっていいですね。

 

(3)「楽しい楽しい魚卵クイズのお時間です」(明太子マニア・田口めんたいこ)

 

松澤:重たい話が続いたので、気分転換で楽しい魚卵クイズをやりましょう。

 

齋藤村田:イエーイ!

 

松澤:この記事では、明太子マニアの田口めんたいこさんが、身近な魚卵の親魚を当てるクイズを出題しています。

第1問 辛子明太子の親魚は?

第2問 イクラの親魚は?

第3問 とびこの親魚は?

第4問 数の子の親魚は?

第5問 からすみの親魚は?

 

(※答えが気になる方は、記事をチェックしてみてね!)

 

齋藤村田:クイズ楽しい〜!

 

村田のイチオシ記事

(1)「初めて占ってもらった話」(シャッターマニア・シヤッター写真家)

 

村田:シヤッター写真家さんは、街中の閉まったシャッターを写真に撮り続けている方。この記事は生まれてはじめて占い店で占ってもらったという話なんですが、記事中に街の占い師さんのことを「シャッター前によくいる方々」と書いていて、たしかにそうだな、と。

占いはロジックで解決できないことを別方向から解決する、白黒つかないものを受け入れる世界。シャッターも同じように、街中の余白のような存在だな、と感じました。

シャッターを降ろすことでそこが占いの舞台ともなり、街にちょっとした異世界が生まれるのも面白いことだな、と。

 

 

村田:ちなみにシヤッター写真家さん、占いから着想を得て、シャッターのタロットカードの絵も書かれてます。

 

 

村田:よく見るとシャッターの上の店名が消された形跡があったり、サビや下から生えた草まで描かれていて、芸が細かい

お二人は、街の中で使い方が変わることで、新鮮に楽しめるようになったものってありますか?

 

齋藤:僕は最近、街中でポスターが剥がれた場所の写真を撮っています。裏パネのらんちゃんじゃないですけど、僕にとっての“表”は、ポスターが貼られている状態ではなく、剥がれた状態。シヤッター写真家さんにしても、お店がやっているときは観察対象じゃないけど、閉まって初めて観察対象になる。人によって何が表か裏かは違うんだなって。

 

村田:まさに!裏パネやシャッターに対する視点と同じですね。

 

(2)「健康管理における三種の神器(勝手に選出した)」(アート系壁マニア・Yasuhito Shigaki)

 

 

村田:シガキさんはビルなどの壁面がつくりだす美しさを写真に撮りおさめている方。インスタは、公式にも何度か紹介された人気アカウントです。

村田:この記事では健康管理に役立つグッズを紹介した記事です。私自身、自粛期間中に太って、今ダイエットをしているので、この記事で言っている「見える化」の重要性を痛感しています。

 

 

村田:実は今、松澤さんと落ちもん写真収集家の藤田さん、私たち夫婦の4人でオンラインダイエットをやってて、日々の食べたものと体重をLINEで共有してるんです。ただ淡々と何の加工もなく、日々の食事とかが淡々とデータとして共有されるのって、今までなかった経験なので新鮮ですね。そこから生活や人生もなんとなく見えてきて。

松澤さんの人生も垣間見ています。

 

松澤:「見える化」するためのアプリを入れてるんですが、俺、一食で鳥軟骨300g食べるのに、それを想定されていないアプリだから、「鳥軟骨9人前」って出てきましたね。

 

齋藤尋常じゃない量が「見える化」された。

 

松澤:9人で居酒屋い行って鳥軟骨を頼んで、1人でむしゃむしゃ食べてるような状態ってことですね。異常者だ。

 

齋藤:見えたな。

 

(3)「[まちのワークアラウンド]駅の水漏れ対策」(野良サインマニア・ちかく)

村田:ちかくさんは、駅員さんがつくる、公式ではない手作りの「野良サイン」を観察している方。この記事では、駅構内の、駅員さんによる水漏れ対策を紹介しています。
村田:こういう、天井から漏れた水が通行人の頭にかからないようにしたものですね。
齋藤:あるある。すごいですね。
松澤:重症患者みたい。駅が国会議事堂だから、なんだか意味ありげ。
齋藤:「国会は重症患者だ」っていう社会風刺…………。
村田:公式のものじゃなく、身近な道具を使ったとりあえずの対策なので、お国柄が見える面白さも。たとえば上の写真は台湾ですが、赤いバケツって日本だと見ない色ですよね。
齋藤:これって、大きいバケツは水漏れがひどいところで、小さいところはそこまでひどくないところなのかな。
村田:たしかに!並べかたで工夫してるのかも。
齋藤:どの写真も見応えありますよね。苦労が伝わる。作っている風景を見てみたいです。

齋藤のイチオシ記事

(1)「愛は墓場まで持っていけないから今惜しみ無く愛してよ」(火曜サスペンスごっこマニア・さかもツインねね)

齋藤:さかもツインねねさんは、火サスのような状況で、海辺のホテルなどで死体になりきった写真を撮っているマニア。この記事は、火曜サスペンスのタイトルそのもののようなブログタイトルです。

 

齋藤:記事の内容は、マニアブログフェスタでは珍しい、恋愛エピソード。火サスごっこと連動して書かれた傑作ブログです。

一目惚れして付き合った男性に対し、火サスごっこしてることを隠すねねさん。ある時、三脚を持ってたら「そんなに写真が好きならインスタやれば?」っていわれて、彼は私の趣味に気づいてジャブ入れてるんじゃって疑ったり。違う意味でドキドキ感のある恋愛エピソードなんです。

 

松澤:ばれちゃったのかな〜。

 

齋藤:「私にはまだ火サスがある」から察していただきたいんですが、残念ながら破局。その時に頭によぎったのが、ブログタイトルになっている「愛は墓場まで持っていけないから今惜しみ無く愛してよ」という言葉。

さらに、その言葉から着想を得てつくられた写真が、こちらなんです。

 

 

齋藤:恋人はいなくなってしまったけど、私には火サスがある。マニア活動が生活とリンクしていて、「好き」とかいう感情以外の作品に昇華させてしまう。ねねさんの作家性の哀しみも感じました。

 

村田:力強い写真ですね。

 

齋藤:結果オーライと思える強さがありますね。

松澤さんは私生活を糧にマニア活動していますか?

 

松澤:マニア活動と恋愛を結びつけたエピソードを書こうとしたら、結論は失恋になっちゃいますね。

 

齋藤:ハッピーエンドじゃないんかい。

 

(2)「松戸市 その1」(犬くそ看板マニア・うんこ看板)

 

 

齋藤:うんこ看板さんは、写真のような犬のフンの片付けを促す看板を撮影し、分類などしているマニアさんです。

 

 

齋藤:この記事は、うんこ看板さんの私生活とリンクさせながら犬くそ看板を考察する内容です。

最近引っ越ししたうんこ看板さんは、引越し前に住んでいた場所でも定点観測している犬くそ看板があったんですが、新しい街でも「いつもの看板」と呼べるものを探したい、と。

まさにマニア活動は、単体で存在するわけでなく、うんこ看板さんの人生に紐付いているんだなって。そうなると、ただ「好き」なんじゃなく、人生の喜怒哀楽や悲喜こもごもとも絡み合って、奥深いなと思いながら読みました。

深みのある傑作ブログでした。

 

松澤:絡んできちゃいますよね、必然。

 

村田:見つけた犬くそ看板のマッピングもすごかったですよね。たしかジョギングもされている犬くそ看板さん。歩いて回れる範囲といいながら、広範囲なので驚きました。

 

 

齋藤:全国版もつくるとか作らないとか。すごいことになりますね!

 

(3)「遂に完成!「蕎麦がき分類図」!」(蕎麦がきマニア・石井公二)

 

 

齋藤:マニアブログフェスタには「蕎麦がき理論家」として参加している石井さんは、「片手袋研究家」として、道に落ちている片方だけの手袋を15年間撮影・研究されている方。

 

 

齋藤:片手袋の方では既に分類図があるのですが、今回の記事では、蕎麦がきの分類図を紹介しています。蕎麦がきというと、そば粉と水を混ぜて練って、タレなどにつけて食べるんですが、石井さんのブログでは、チゲ鍋やスイーツなど、蕎麦がきの可能性を広げています。

 

 

齋藤:石井さんの中でずっと「蕎麦がき分類図」を作らねばというプレッシャーがあったそうなんです。誰から言われたわけでもなく、自分自身によるプレッシャー。

 

松澤:先日石井さんにお会いしたとき、正式に謝罪されました。

「松澤さんすみません、蕎麦がき分類図がようやく完成しました」って。

 

 

齋藤:そば粉と組み合わせるもの、水分、味の方向性、調理法で分けた分類図です。

 

村田:めちゃくちゃ実用的な表ですね!

 

齋藤:「カルピス原液でつくる蕎麦がき」もひらめいたそうです。

体系だった分類図を作ると、方法論が固まってしまってそこから逸脱した発送は生まれてこないのかな、と思いがちですが、この分類図は逆。分類図から、カルピス原液の蕎麦がきも思いつけるのがすごいところ。

自分の中の可能性を拡大させるための分類図であり、思考法なんです。

 

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ではでは、また8月にお会いしましょう〜!