マニアフェスタ出展の30名のマニアが、goo blogで一斉に「好き」を綴っていく「マニアブログフェスタ」

 

マニアフェスタ事務局の3名が、8月に投稿された120以上の記事の中で、特にピンときたイチオシ記事を3つずつご紹介する「月刊マニアブログフェスタ」をオンライン開催しました。

 

全編見たい方はコチラから!

 

解説者はこの三人!

マニアブログフェスタ事務局 松澤・齋藤・村田

 

松澤のイチオシ記事

(1)鉄塔と「とりあえずの緑」」(鉄塔マニア・鉄塔ファン)

 

 

松澤「とりあえずの緑」とは、実際の植物ではなく「とりあえず緑のものがあったらいいよね」と設置されたもの。鉄塔にもこの写真のように、絵を巻きつけられたものがある、と紹介した記事です。

 

 

松澤:「とりあえずの緑」の概念は村田さんが生み出したんですっけ?

 

村田:片手袋研究家の石井公二さんが主催するトークイベント「都市のラス・メニーナス」に出演した際に出た話題です。「街中ってこういう、とりあえず置いた緑ってあるよね」っていう話になって。

 

齋藤:あるある。

 

村田:それってお弁当に入っているバランや、いきなりステーキでとりあえず添えられたコーンと同じ存在じゃない?って。街中は本来、緑を排除した場所。言い訳みたいに緑が置かれているのが面白い、というところから出たキーワードです。

 

松澤:この記事で面白いと思ったポイントがこちらです。

 

 

松澤:僕はディズニーランドが好きで、それにまつわる本もよく読むんですが・・・アメリカって自然環境が厳しいので、近代化する前は自然との戦いの連続だったそうなんです。ディズニーは、いかにそれを克服して人間のコントロール下に置くかがテーマ。ディズニーランドが描くユートピアも、自然を完全にコントロールした空間。

確かにと思う一方、その反動か、緑がないと人間は心が保てない。その現れが「とりあえずの緑」なんじゃないかって思いました。

一本の木があると、木陰に癒やされるけれど、それが何百本、何千本になると怖い怖い森になる。自然を求めつつ怖さも感じるのが面白いな、と思いました。

 

齋藤:海もそうですよね。昼間は透き通っていて綺麗なのに、夜になると引きずられそうな妖気が漂う、異界のもの。同じものなのに怖く感じますよね。

 

松澤:確かに。自分も「とりあえずの緑」を探してみようと思います。

 

 

(2)謎マーク」(ミニチュアフードマニア・kerosaka)

 

松澤:ミニチュアフードマニアのkerosakaさんが行く薬局で、処方される薬の袋に謎のスタンプが必ず押されているそうなんです。

 

 

松澤:ある時はこの写真のように「釜飯」だったり、翌月行くと「桜」だったり。

 

村田:まだ謎は解明していないんですよね。

 

松澤:kerosakaさんは「釜本さん」「桜田さん」みたいに、担当者の名前がマークになっているんじゃないかと推理しています。次からは担当者の方のネームプレートを見てみようって。

 

 

松澤:こういう生活の中の小さなミステリーって面白いな、と思います。

以前僕も地元を歩いていたら、路地の隅にお寿司が1パック、蓋が開いた状態で置かれていたんです。数日間そのままだったんですけど、一週間後もう一度見たらイカ一貫だけなくなってた。ほかは崩れてないんです。すごい謎でした。

 

齋藤:一貫だけ・・・謎ですね。

 

松澤:そういうミステリーってありますか?

 

齋藤:僕は今、団地の3階に住んでるんですが、今の時期は階段にセミがめちゃくちゃ死んでるんですよ。通っているボクシングジムの階段にも、セミが10匹くらい死んでいて。セミは死に場所として階段を選んでるんじゃないか?と思っています。

 

松澤:確かに、昔マンションに住んでいる友だちの家に行ったら、階段にセミがいましたね。

こういう謎を解き明かしていくと楽しいんじゃないかなって思います。

(3)「藤沢へ行ってきたシリーズ」(空想地図マニア・Rano)

 

 

松澤:Ranoさんは6月末から8月にかけて、「藤沢へ行ってきたシリーズ」を7記事書いているんです。

 

 

松澤:Ranoさんは、実在しない街の地図をつくる空想地図作家。街を見る目が確かなので、見るポイントが色々あるんです。街を見る粒度が高まると、神奈川県藤沢市に行っただけでも7本記事が書けちゃうんだなって。

 

 

松澤:普通、街の記事を書く場合は美味しいお店や遊び場の紹介が多いと思うんですが、Ranoさんはバスロータリーやなんでもない個人商店が並ぶ道の話を、しっかりした粒度で書いてるんです。

 

村田:Ranoさんは、そこで生活している人がいる、ということに対する愛がすごいなと思います。同じ空想地図作家の地理人さんも、車窓からなんてことない街の風景をずっと写真に撮っているし。

こういう「あるある」の蓄積から、空想地図ができていくんでしょうか。

 

松澤:以前、地理人さんのガイドでバスツアーをやった時も、車窓から見えるガストだけで大盛りあがりでしたよね。街を見る目が高まると、そういうところで楽しめるのが面白い。

いつかRanoさんに、生まれ育った場所を一緒に歩いてもらいたいです。

 

村田:面白そうですね!

 

松澤:あの、何気なく通り過ぎていた薄汚いバスロータリーを、褒めてほしいです。

 

齋藤:きっと褒めてくれますよ。

 

 

村田のイチオシ記事

(1)「日常の縦長を見つめ直した結果、ケバブペンもできた」(ドネルケバブマニア・メルツ)

 

 

村田:ドネル・ケバブマニアのメルツさんがケバブのグッズを作った、という記事です。ケバブの柄のペンと定規とノートの3点セットで、その名も「ケバブング(ケバ文具)」

 

 

松澤:いいですね〜。

 

 

村田:「ケバブング」は、ケバブをより楽しむための文房具。ノートは「ドネルケバブテイスティングノート」というコンセプトで、ケバブを食べたときの感想をすぐに書き留められるようにするためのグッズです。

 

齋藤:温かいうちに、微妙な差を読み取らなきゃいけないですからね。

 

村田:定規とペンは、ケバブそのものの「縦長」の形から着想を得たのが面白いな、と思いました。かつ実用性があるもの。

実はうちに3点セット全てあるんですが、ノートは使いやすいサイズ感だけでなく金の箔押しがしてあったりと、すごくかっこいんです。こういった丁寧なものづくりにもメルツさんのお人柄が出ていていいな、と思いました。

 

松澤:「縦長」が行き着くと、最終的には数学の先生が使っているような、長い定規とかになるのかな。

 

齋藤:なんでよ(笑)。

メルツさん、オリジナルのケバブTシャツを着てテイスティングノートに書き込んでいたら、これ以上ない説得力ですよね。本当に好きなんだなって。

 

 

(2)「黒曜石の島 ~神津島にはどれだけ黒曜石があるの?~ その5 恩馳島編」(黒曜石マニア・神津オブシディアンラボ)

 

 

村田:神津オブシディアンラボさんは、大学の頃から考古学で黒曜石を研究し、現在も産地である神津島に住みながら研究を重ねている方。

神津島には黒曜石の産地といわれる島がいくつかあるそうで、何記事かに分けて島ごとの特徴を紹介されているんですが、ラストがこの恩馳島です。

 

 

村田:この写真で遠くに見えているのが、恩馳島。天候によって見え方が変わる不思議な島だそう。

神津島は品質の良い黒曜石の産地ですが、特に恩馳島の黒曜石は高品質なんだそうです。

 

 

村田:「高品質」の基準には、不純物やヒビがない、という宝石にも使われるポイントの他、「きれいに割れる」といった、石器としての基準もあるそう。黒曜石の歴史を感じる面白い基準なんですが、恩馳島の黒曜石は特にこの基準を満たしているそうです。

なんと縄文時代にはすでに、恩馳島の黒曜石が本土で利用されていたという記録も残っているとか。

なぜそれだけ使われたかという理由を、林さんが記事の中で考察されていますが、いまだに謎が多いそう。そんな謎めいた黒曜石そのものも魅力ですが、林さんの書かれる記事も魅力的。知識に裏打ちされた内容の濃さだけでなく、軽妙な語り口で読みやすいんです。林さんの記事から、古代の人たちの生活ぶりも垣間見えるのが面白いな、と思いました。

 

齋藤:林さんは、ご自身で採石して磨いた黒曜石をマルシェルに出品したところ、またたく間に売れたそうですね。

 

村田即日完売だったんですよね。

 

齋藤:「この子」って、一つ一つを我が子のように出荷していく。

 

松澤:林さん、黒曜石にまじで熱いからいいですよね。

 

村田:ブログを通して、林さんの熱量が伝わってきますよね。コロナでなかなか旅行に行けない中、密度濃く島の情報やミステリーを発信してくれている、魅力的なブログです。

 

 

(3)「〇〇マニアでもある 〜架空CMソング制作以外のマニア〜」(架空CMソング制作マニア・キシリ徹)

 

 

村田:キシリ徹さんは、実在しない企業のCMソングを独自に作曲する方。いつもはブログで作曲背景などを紹介されていますが、この記事では、架空CMソング以外で興味ある対象をいくつか紹介されています。

「ライブカメラ」や「不便」など、着目するものが独特で面白くて。

 

 

村田:キシリ徹さんは記事の中で、マニアをこう定義しています。つまりマニアは「○○マニア」と名乗る以外にも興味の裾野が広く、他の視点や活動を持っている方

確かにマニアの方々は視点自体が独自だから、世の中の様々なものをユニークな視点で切り取っているのだな、というのをこの記事から感じました。

 

松澤一回切り口ができると、色々見えるようになるんですね。

齋藤さんも色んなもん見てますよね。

 

村田:齋藤さんは、顔に見えるシャッターや、ポスターが剥がれた跡を写真に撮っているんですよね。

 

齋藤:雑多に見ていこうと思っています。たとえばポスターが剥がれた跡からテープの貼り方が見えるんですが、律儀に貼っている人や雑に貼っている人がいたり。ポスターの裏側から貼った人のキャラクターが読み解けて面白いんですよ。

 

松澤:齋藤さんも7記事書けますね。僕はエッグポットっていう、セブンイレブンで販売されてた2個入りのゆで卵のマニアになろうと思ってたんですが、発売中止になっちゃいました。

 

齋藤:商品にはサイクルがありますから。データで消えていったんですよ、売れませんって。

 

村田:別視点のある人形町付近のセブンイレブンだけ、売れ行きがすごかったんでしょうね。

 

齋藤:「ここだけ売れるんだけどな」って。

 

 

齋藤のイチオシ記事

(1)「因果」(路上園芸マニア・村田あやこ)

 

 

齋藤:これは村田さんの記事ですね。タイトルの「因果」の意味を調べたら、「原因と結果、その関係」といった意味だそう。

 

松澤:何が起こっちゃったの!?

 

齋藤:村田さんは街角の隙間にはみ出す緑や園芸を観察しているマニアなんですが、今回の記事はご家族の話。ちょっとじゃ済まされないくらいの趣味の家系であることが書かれています。

 

 

齋藤:最初のポイントは、時限爆弾みたいなオゾン消臭機

 

松澤:オゾン消臭機ってきくと、なんだか良さそうなイメージですが。

 

齋藤:通常リビングに置くので、景観を邪魔しない白くてシュッとしたデザインのものが、Amazonで売られているんですよ。ところが村田さんのお父さんが作ったオゾン消臭機が、これ。

 

 

松澤:これ、時限爆弾に寄せて作ってませんか?アタッシュケースの中に入ってるし、ドラマに出てきそうなコードも付いていて。

 

齋藤:「時限爆弾だと思ったらオゾン消臭機だった」っていうオチに使われそう。

 

松澤背面についているマイクみたいなのから、犯人が喋ってくるんでしょ。

 

齋藤「どっちのコードだ?間違えたら爆発するぞ」って。

 

村田:あの部分からオゾンが出てくるらしいんですよ・・・。車の中を消臭したくて作ったらしいんですが、車に積んでいたらヤバいですよね。検問で引っかかりそう。

 

齋藤:村田さんのお父さんは、これに限らず「猫つかまえ機」や「真空管ラジオ」、「鼠捕り機」など電気工作でずっと作っていたそう。村田さんが記憶に残る父親の姿は、お酒を呑みながら設計図を書いている姿だったんですよね。

 

村田:はい。夜ご飯を食べた後、機械をいじるのが日課なので、父の姿といえばそれですね。

 

松澤:キテレツが大人になった感じですね。

 

齋藤:お父さんの背中を見て、村田さんもなにかに没頭する上で影響を受けてきたのかなと思います。さらに、ポイント2で「家族のマニア沼」と書いているんですが・・・村田さんの夫のむらたぬきさんも、村田さんが路上園芸を観察しはじめたのと同時期に、狸を観察しはじめたんですよね。

 

村田:はい。一緒に散歩しているうちに、私は園芸、夫は狸にハマっていきました。

 

松澤:でもむらたぬきさんは、観察するだけで、時限爆弾みたいなのは作ってないんでしょ?

 

齋藤:時限爆弾は作っていないんですが、小便狸小僧を作っているんですよ。

 

 

齋藤:この小便狸、お父さんも参加されてるんですよね。

 

村田:はい、父と夫の共作です。狸が夫、父がその足元の箱を作りました。ボタンを押すと箱から音楽が流れる機械です。

 

齋藤:お父さんから村田さん、そこからむらたぬきさん、更にはむらたぬきさんとお父さんがコラボという、楽しい因果がいいな、と思いました。

 

松澤:2人が協力して、狸型の時限爆弾を作らないか監視しておかなきゃいけませんよ。

 

 

(2)「マニアフェスタに出たら、囲碁教室が生まれた話」(囲碁アートマニア・関翔一)

 

 

齋藤:この記事はタイトルそのまま、マニアフェスタに出展したら、お客さんから「囲碁教室をやりませんか?」と誘われて、囲碁教室がはじまったというエピソードです。

 

 

齋藤:こうやって出会いの波に乗るのが気持ちいいな、と思いました。

声をかけたのは「平井の本棚」という本屋さんなんですが、誰か囲碁教室をやってくれる人がいないか探していたら、偶然マニアフェスタ会場に囲碁好きの好青年がいた。しかも囲碁計算機など、囲碁を軸に実験的な試みもしている。

面白いなと声をかけても、それだけで終わる場合も多いと思うんですが、そこで乗れるか乗れないかで人生が変わってくるなと思いました。

こうやって化学変化があると、マニアフェスタをやっている甲斐がありますね。

 

松澤:こういう化学変化って、リアルなイベントだからこそ生まれますよね。オンラインは、会おうと思わないと会わない。

 

村田:私自身、平井の本棚さんにはイベントなどでお世話になっているんですが、店主さん自体が、人と人との化学変化を作り出す素敵な方なんです。一見ジャンルが遠く見える人同士でも、面白いと感じたらひょいっと結びつける場を作るフットワークの軽さとお人柄で。

 

 

齋藤:この写真は、関さんと地理人さんによる、囲碁アートと空想地図の対談。これも一見すると遠いジャンルのマニア同士をつなげて化学変化を起こすイベントですね。

いまはなかなかリアルなマニアフェスタができない状況ですが、早くやりたいな、と思えました。

 

 

 

齋藤:地理人さんは、実在しない「中村市」の地図を空想で作っている方。このブログでは、ちょっと前に流行ったFaceAppというアプリで、地理人さん自身の顔を加工し、加工して生まれたもうひとりの自分の人生を考察する、という内容です。

 

 

齋藤:左が現実の地理人さん、中央は年老いた地理人さん、右が女性の地理人さんです。

 

村田:可愛い。

 

 

齋藤:この写真の左は、高校生の頃の地理人さん、右がそれを女性化したもの。地理人さんも、高校生っぽくて可愛いですよね。

 

 

齋藤:ポイントはズバリ、「地理人ちゃんカワイイ」。地理人さんも同意見で、女性化した自分が思った以上にナチュラルビューティーで、恋も仕事も充実してそうって。現実の地理人さんもすごいんですが、女の人生を想像すると、それも思った以上にいいんじゃない?って、ちょっと混乱してるんです。

 

村田:確かに、仕事もできそうで人生充実してそうですね。

 

齋藤:ただ褒めるだけでなく、地理人(女)は、“高校までは垢抜けなかったんだけど、大学になってちょっと悪い男に引っかかりそうで危うい”という評価もしています。モテを経験せず淡々と生きてきた現実地理人の人生は、案外良かったんじゃないかっていう結論に至っていました。

 

松澤現実を肯定したんだ。

 

齋藤:松澤さんは、自分が女性だったらどんな人生だったと思いますか?

 

松澤今と全く同じだったと思いますね。性別で変わるものではないんで、僕の意志というのは。

 

齋藤:強固な意志!

 

 

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ではでは、また9月にお会いしましょう〜!