2022年4月29日「マニアフェスタvol.6」内にて開催したトークイベント『超ボツ企画 ~光と闇~』の模様をお伝えします。

せっかく準備したにも関わらず社内外のやんごとない理由でボツとなってしまった企画をゲストの皆さんに語っていただこうというトークイベントです。

ゲストは聖地巡礼プロデューサーの柿崎俊道さん、体験する物語クリエイター/株式会社SCRAP執行役員のきださおりさん、デイリーポータルZ編集部の古賀及子さん。本記事では、イベントの前半をお届けします。

「マニアフェスタVol.6」開催レポート

 

イベントアーカイブ動画

 

ゲストスピーカー(敬称略)

柿崎俊道(かきさき しゅんどう)
聖地巡礼プロデューサー/株式会社聖地会議 代表取締役。アニメ聖地巡礼、コンテンツツーリズムに特化し、活動。対談本「聖地会議」シリーズの刊行、イベント「聖地会議EXPO」「ご当地コスプレ写真展」「カピバラ写真展」の開催、東京スクールオブミュージック専門学校にて「コンテンツツーリズムゼミ」の授業を行なう。

 

古賀及子(こが ちかこ)
2004年よりデイリーポータルZにライター参加、2005年より同編集部所属。編集の傍らライターとしての活動も続け、代表記事は「納豆を1万回混ぜる」「決めようぜ最高のプログラム言語を綱引きで」など。著書に自身のブログ日記を書籍化した「ちょっと踊ったり、すぐにかけだす」等がある。

 

きださおり
株式会社SCRAPにて、あらゆるコンテンツの制作現場に携わり、海外でも公演を開くなど数々のヒット作を企画・制作。道玄坂ヒミツキチラボの室長・東京ミステリーサーカスの総支配人を務めた後、執行役員に就任。現在もディレクターとして「リアル脱出ゲーム」「インサイドシアター(観客参加型オンライン演劇)」「イマーシブシアター」をはじめとする新機軸の「体験する物語」を制作している。

 

目次

・自己紹介
・”自分の中でボツにした企画”
ー営業企画「アニメ放映権の海外販売」
ーファストフードと喫茶店のフロアはぜんぶカウンター席でいい
-ひみつ喫茶室
ー「人に仕事を振るのも才能」
・”外からの影響でボツになった企画”
ー書籍「仏師入門一木彫り丸太つき」
ーフリマアプリ強化合宿
ー夜の歌舞伎町イマーシブシアター”ミステリアスな彼女”

 

 

■自己紹介

司会:まずは順番に自己紹介して言っていただきたいと思います。柿崎さんからよろしいでしょうか?

 

柿崎俊道さん(以下、柿崎):柿崎俊道(かきさきしゅんどう)と言います。聖地巡礼プロデューサーを名乗って、もう10年になります。アニメ雑誌畑で仕事をしてきまして、「アニメージュ」という雑誌の編集者を8年程やったりとか、「ガンダムエース」の創刊をてがけたりとかしています。「メガミマガジン」にも二号目から携わっています。よろしくお願いします。

 

司会:聖地巡礼って10年以上前からあるんですね!

 

柿崎:はい。実は1970年代から「ロケ地巡り」とか「舞台巡り」という言葉で、行われていました。「聖地巡礼」という言葉自体が生まれたのは1990年代に入ってからです。

 

司会:続いて、古賀さんお願いします。

 

古賀及子さん(以下、古賀):デイリーポータルZの古賀及子(ちかこ)と申します。私が20年近く編集やライターをさせてもらっているデイリーポータルZは、読み物記事を365日毎日欠かさず更新している老舗のウェブメディアです。2022年には、なんと20周年を迎えます。よろしくお願いします。

 

司会:最後はきださん、お願いします。

 

きださおりさん(以下、きだ):はい。きださおりと申します。普段は株式会社SCRAPで色々なコンテンツを作っています。どんなコンテンツかっていうと、例えばリアル脱出ゲームっていうものだったりとか、イマーシブシアターというものだったりです。見るだけじゃなくて、行動していくことで物語を進めていくような物語を色々創っております。よろしくお願いします。

 

 

■”自分の中でボツにした企画”

司会:早速一本目から順番にいってみたいと思います。柿崎さんから順番に聞いていきましょう。柿崎さんが「自分の中でボツにした企画」はこちらです。

 

 

・営業企画「アニメ放映権の海外販売」

柿崎:これは今から15年くらい前に思いついたことです。当時は「アニメージュ」という雑誌にいて、下請けのライターとか編集者をやっていました。でも、「もうそろそろ、いいかな」と思っていて。かといって「アニメ業界から離れたくない」とも思っていたんですね。そこでアニメ業界の知識と経験を活かしながら違うことをやるために思いついたのが、この企画なんです。アニメの放映権ってたくさん世の中に余ってるっていうか、埋蔵されているので。

アニメ会社さんに放映権の販売権をお借りして、海外の放送局に売りに行こうって思ったんです。この企画を32才くらいの時に考えてから一年間ぐらい準備して、実際に東南アジアの放送局を回って売ってきました。でも帰りの飛行機の中で「これじゃ無理があるなぁ」って思い直してやめたんです(笑)。

 

司会:帰りの飛行機でですか?(笑)。

 

柿崎:はい。一人でやるのはちょっと無理があるなと(笑)。結局、自分の知らないことが色々あったわけですよね。その時は、日本の名作アニメの放映権を一年間販売していいよっていう権利をもらったんです。その放映権ってのは、マスターテープをダビングしたものを受け取った放送局が「3年間で3回再放送していいよ」という権利なんです。

ただこれ、東南アジアの放送局に渡すわけですよ。なので、これをもし4回放送した場合、誰がチェックするのかという問題があります。それに権利が切れたテープを廃棄したという証明書が送られてきても、それをもし廃棄前にDVDとかVCDとかにダビングされていた場合、誰がチェックするのかという問題もあります。

そういった問題点に営業中に気づいて。他の放送局さんはどうしているのかと思って聞いてみたんです。そしたら、交渉がまとまったらメディアセンターといわれている会社に委託するんですって。そこに弁護士さんなどがいて、色々整理してくれるそうなんですよ。

それを聞いて「これやっぱり、一人でやるのは無理があるな」と。思ったんですね。むこうの国の弁護士さんとまずは契約を結ぶとか、むこうの出版社と契約をして世話してもらうとかをセットにしないと難しいなと。

 

古賀:「一人でやるのはやっぱり無理だ」って、ハッと気づく瞬間ってありますね。

 

司会:責任をしょいこみがちな人間ですよね。企画担当者って。

 

柿崎:結局、放映権を貸してくれたアニメ会社の社長さんには、「無理でした」って伝えました。先方も分かってたみたいで「まぁいいですよ。その代わり、話をいっぱい聞かせてよ」って言われて、3時間ぐらい話をして。それでこの話は終わりました。

僕は今、アニメの聖地巡礼を仕事にしてますけども、そもそもの理由はこの企画でした。日本人向けに日本国内で日本語でやって、これで成功しないんだったらその企画はダメだろうと。だから日本国内でやれることをやろうというのが、アニメ聖地巡礼に力を入れ始めた理由の一つなんですよ。

 

 

・ファストフードと喫茶店のフロアはぜんぶカウンター席でいい

古賀:私が自分でボツにした企画は「ファストフードと喫茶店のフロアはぜんぶカウンター席でいい」です。ファストフードと喫茶店のフロアにあの二人席の向かい合わせて座るちっちゃいテーブルってあるじゃないですか。あれってめちゃめちゃ話しづらくないですか?相手となんか目と目が合っちゃうし。なんかちょっと若干遠いし、なんかすごいしゃべりづらいから、全部いらないなって思って。

この熱い気持ちを飲食店の内装業者さんに、「これどうですか」って、ぶつけようと思ったんですよ。 そしたら、マクドナルドで大きな島みたいなテーブルが増えて、そういう席ばっかりになって。企画やる前に私の気持ちが通ったなみたいな感じになったんです。社会先読みしちゃいましたね。

そのうえ、一人飲食なさる方が増えて、一層そういう席をする店が増えてきて、「あ、なんだこれ?夢が叶ってしまった」みたいな感じになりました。 

 

司会:現実が古賀さんの夢を追い越していったわけですね(笑)。

 

 

・ひみつ喫茶室

きだ:この企画はボツにしたというよりは、実際に開店したけれど閉店したとした方が正しいです。でも気持ち的にはボツになってしまったので、今回出させていただきました。

ひみつ喫茶室がどんな場所かっていうと、入り方と場所はもう完全にシークレットです。新宿歌舞伎町にある東京ミステリーサーカスって場所で謎解きをして行くと住所と予約方法がわかって、秘密の合言葉を言うと入れるっていう喫茶店を実際に秘密の場所に作ったんです。

 

司会:面白そう!

 

きだ:2019年の冬にひっそりと誰にも言わずにオープンさせたんですね。で、噂が噂を呼んで2020年の1月、2月すぎぐらいにだんだんと噂になる予定だったんです。けれど噂より先にコロナが来ちゃって。 東京ミステリーサーカスも開けられなくなっちゃって。でもメチャクチャこだわって、一人ひとりのオーダーメイドの謎解きだったりとか凝っていたので、いったん閉じて再起を狙っている企画です。

 

司会:すごい写真かっこいいですよね。

 

きだ:メニューとかも全部、メチャクチャ作りこみました。

 

司会:お仕事の中で、「よくよく考えたら手間かかり過ぎだろ」って、やめたのとかあるんですか?

 

きだ: 手間かかりすぎだと、むしろやっちゃいますね。 

 

司会:逆にやっちゃうんですか?!

 

きだ:途中で後悔することもありますが、「手間かかりすぎたからこの金額にしよう」とかします。例えばこれは千円では出せないから、大変申し訳ないですが3500円にさせてくださいとかです。値段で帳尻を合わせる感じですね。

 

 

・「人に仕事を振るのも才能」

司会:手間が一人で負えないなって言う時は、分担とかどうしてますか?担当者にすごい情熱があっても、お願いする相手にその熱が上手く伝わらなかったりもするじゃないですか。

 

きだ:やっぱり必死ですよ!世の中のために、絶対あった方がいいから一緒に創ってくださいって、なりふり構わず仲間集めします。

 

古賀:素晴らしいですね!

 

きだ:このイベントを観てくださっている方の中で一緒に作ってくれる方がいたら、いつでも大歓迎な気持ちで生きています。

 

古賀:私が勤めているデイリーポータルZの社風って、ひとりひとりが一人親方みたいな感じで働いてるんですね。だから一人で仕事を抱えて完遂するっていう仕事のやり方をやってきたんですけど、やっぱりパンパンになったときに誰かにお願いすることも必要だなと思ってきました。分担するという手段をやっと覚えたのが、5年ぐらい前なんですね。それからは、「ここだけはお願いします」に依頼できるようになりました。

 

きだ:一人で大きいプロジェクトを動かしてると、メンタル潰れませんか? 

 

古賀:それは本当にそうですよね。

 

司会:人に仕事を振るのも、結構難しい仕事ではないですか?例えば、自分しかできないクオリティの技術があったりすると、うまく他の人で運用できなかったりとかして。なので大きい会社の人には、単純に「いいなー」とか思ってました。だけど、実はそういうことでもないんですね。

 

古賀: そこもなんか才能って感じします。上手に任せて商品を作れたら才能ですよね。

 

きだ:私はビリーブベースで話します。もう信じるからやりましょうみたいな。「この分野ではあなたを信じているんで」みたいに。ビリーブベースでやれると上手くいくけど、そこまでの関係を作るのは、なかなか難しいことだなと思います。

 

司会:ビリーブベース。いい言葉ですね! 柿崎さんはメチャクチャ大変ってなった時に、誰かと一緒にやろうとはしなかったんですか?

 

柿崎:僕が人と一緒にやろうとするようになったのは、この一年ぐらいですよ。やっと。アニメージュの編集部は、基本的に一人ひとりが一人親方という感じになるんですよね。自分の特集があったらそれを突き詰めてやるみたいに。周りの編集者と協力し合うことは、あまりなかったです。

アニメージュはアットホームな環境でしたけど、雑誌とか書籍とかでずっと一人親方でやってきたので。どうしても、一人でやろうとしてしまいますね。自分で会社始めてから、やっぱり一人よりも二人でやった方が3倍、4倍成果が広がるなって確信が持てました。

 

 

■”外からの影響でボツになった企画”

司会:さきほどは自分の中でボツにした企画でした。続いては外からの影響でボツになった企画です。引き続き柿崎さんからお願いします。

 

・書籍「仏師入門 一木彫り丸太つき」

柿崎:僕はかつて、インデックス・コミュニケーションズという出版社に勤めてました。そこの書籍部門にいまして、書籍「仏師入門 一木彫り丸太つき」という本を企画しました。

 

司会:ええ!丸太がついているんですか?!

 

柿崎:はい。ついてます。レジの後ろに丸太をボンボン並べて、本と一緒に渡してもらうつもりでした(笑)。

この企画を考えた理由は2つあって。一つはですね。やっぱり読者はみんな、本物がほしいんじゃないかと思ったわけですよ。例えば釣り入門だったら釣りがやっぱしたいわけですし。やっぱり本物をつけてあげるべきだと。だから、一木彫りをすぐに始められる本を出したかったんです。

理由のもう一つはですね、色々面倒になったからです。書籍って不思議なもんでね。紙に印刷する内容によって、売れたり売れなかったりするじゃないですか。でも元をただせば、ただの紙とインクですよ。なんだか「めんんどくさいなあ」と思って。もう木を売ってやれって思ったんです。木を紙にする工程さえも面倒くさいと思ったんです。もう何も考えたくないっていう。

 

司会:こんなに面白い企画が、どうしてボツになったんですか?

 

柿崎:流通のことも結構調べたんですよ。その結果実現できそうだったんですけど、当時の編集長判断で通らなかったんですね。編集長がGOしてたら、紀伊国屋とかジュンク堂とかに丸太が並んでいました。

 

きだ:売ってほしかったです! 面白いじゃないですか。持って帰るのは大変そうだけど(笑)。

 

司会:他にもボツになってしまった企画はありますか?

 

柿崎:やってみて「やっぱり無理があるな」っていうイベントは、他にもありました。15年くらい前に、アニソンのDJイベントをやったんです。渋谷のWOMB(ウーム)っていうクラブで。元々こちらで企画していたのをWOMBさんが知ってくれて。それで頼まれて3ヶ月に1回、一年間に4回やりました。

ただ、やってて気づいたんですけど、僕大きな音が苦手で…。

 

司会:柿崎さんが?!根本的な問題じゃないですか!

 

柿崎:しかも暗い所でライトがピカピカすると頭痛がしてきて。これじゃあ辛いと思って、4回ともずっと受付にいたので楽しくなかったです(笑)。

 

司会:人間ではなく、物理的な影響があったんですね(笑)!

 

 

・フリマアプリ強化合宿

古賀:メルカリのようなフリマアプリがこんなに流行して、不用品を捨てたりあげたりすると、「あっ。これフリマアプリで売れば◯円になったのになぁ」って損した気持ちになったりしませんか。かといってフリマアプリに出品するのって、まあまあ面倒くさいんですよね。写真を撮ってコメントを書いて、もし買っていただけたらやり取りしたりとか。梱包材とかも用意しないといけない。

だからフリマアプリの出品を集中的にやる合宿をやろうと思ったんです。みんなで熱海とかに不用品を持ち寄って「じゃあこれから30分で5品出品するぞ」みたいに、ドンドン出品する企画を考えたんです。

この企画がボツになった理由の一つはコロナで集まれなくったことですが、実はそれだけじゃなくて、そもそも宿泊費の方がフリマの売上げよりもかかることが判明しまして…。

 

司会:収支の問題があったんですね!

 

古賀:ウェブ記事なので、「別に整合性取れなくてもいいじゃないか」っていう考え方もたしかにあります。ですがそういう部分って読者さんに伝わるというか。成立してなさみたいなものが拭いきれなくて、やっぱりどうしてもこれじゃあ厳しいということで、ボツにしました。

 

司会:たしかに、良い宿に泊ったらもうダメですね。しかも商品を値切られたりしたら…。

 

古賀:そうそう(笑)。じゃあ、いくらの宿に泊まれば良いんだっていう。

 

司会:他にも社内会議でボツになった企画はありますか?

 

古賀:デイリーポータルZは基本的にライターのやる気ベースなので、「やる気があればやってこい」っていうのが基本なんです。企画自体がべシャッとつぶれることは、本当にないです。ただし取材先に断られることはありますね。

最近も「プールを掃除したい」って言い出したライターがいて。中学生とか高校生の時の夏休み前にプールを掃除するっていうのが、そのライターにとっての青春だったみたいで。そのおっさんのライターが「俺、プール掃除したいっす。青春を取り戻したいっす」って言い出したんです。

 

きだ:いいじゃないですか!

 

古賀:ところが掃除させてくれるプールがないんです。

 

きだ:ないならプールから作りましょう!

 

古賀:さすがですね!

 

司会:確かに「変わった趣味の方かな?」と思われちゃうかもですね。学校以外のプールはどうですか?

 

古賀:そのライターは「学校のプールじゃなきゃ嫌だ」っていうんです。気持ちはすごくわかるんですよ。スタジオのプールじゃなくて学校のプールが良いっていう気持ちは(笑)。

 

 

・夜の歌舞伎町イマーシブシアター”ミステリアスな彼女”

きだ: こちら、私が作っている体験する物語の一つになります。自分が行動する中で色んな出来事が起きるという企画です。歌舞伎町の占い屋さんあるじゃないですか。あそこが受付で、そこで占ってもらうと、「赤いドレスの女の子を助けろ」みたいなことを言われるんです。

で、指示された場所に行くと、それが当時歌舞伎町にあった愛本店っていう ホストクラブさんなんですね。そこに赤いドレスを着た女の子が実際いるわけですよ。で、その子に誘われて街に出てしばらく歩いてると、急にやくざにその子がさらわれるんです。

 

会場:えーーーーっ!?

 

きだ:それからヤクザの小屋にいるその子を助けて、「ここは危険だから、私の育ての親のところに行こう」ってバーに行くんですね。で、その子がお手洗いに行った隙に、バーのマスターがこそっと紙を渡してくるんです。それを見ようかなと思ったらまたヤクザがやってきて。

自分たちがロッカーに隠れていると、戦っていたマスターが「逃げろ」って言ってくれて、逃げながら紙を開けてみるとまた住所が書いてあるんですね。そこ行くと洋服屋さんがあって、そこで女の子が男物の服に着替えるんです。するとロングヘアの女の子のの首に数字が書かれていることに気づくんです。

すると友達から電話がかかってきて、「うちにおいでよ」って言われて。実際に歌舞伎町にある女の子のマンションに行くんです。 そこでたこ焼きパーティーをするんですね。で、パーティーやってると警察がやってきて、今度は友達の彼氏の車でみんな逃げるんです。で、東京ミステリーサーカスってところで、その子の重大な秘密がわかるみたいな感じに考えていました。

実際、直前のテストプレイまでやっているんです。 何ならテレビ取材も入ったのに、コロナ禍がやってきて…。たこ焼きはさすがに無理じゃないかってことになり。しかもこの2年で歌舞伎町の治安がちょっと変わった感じがして…。で、ボツになった企画でございます。キャストさんとかも全部決まってて、あとはやるだけだったんですよ!

 

司会:作り込み半端無いから、ボツになった時のショックが大きそうですね!

会場となる予定だった「愛本店」

 

きだ:あと、会場となる予定だった愛本店さんも取り壊しになってしまっていて。閉店前だから、けっこう自由に「イマージョンシアターとか面白いから使わせてあげるよ」って、偉い方から言っていただいていたのに。

 

司会:楽しそうだったのに、もったいなかったですね!たこ焼きは何とかならなかったんですか?

 

きだ:難しいですねぇ。女の子の家で一緒にたこ焼きパーティをするっていう体験をしてもらいたかったんですよ。 だからタコパ(たこ焼きパーティー)がないと成立しないんです!

 

司会:「ここだけは譲れない」っていう、こだわりがすごいですね!

 

 

※記事の後編は、後日公開します。