マニアフェスタ出展の30名のマニアが、goo blogで一斉に「好き」を綴っていく「マニアブログフェスタ

 

マニアフェスタ事務局の3名が、5月に投稿された120以上の記事の中で、特にピンときたイチオシ記事を3つずつご紹介する「月刊マニアブログフェスタ」をオンライン開催しました。

 

全編見たい方はコチラから!

 

解説者はこの三人!

松澤茂信(マニアブログフェスタ事務局・合同会社別視点社長)
齋藤洋平(マニアブログフェスタ事務局・合同会社別視点副社長)
村田あやこ(マニアブログフェスタ事務局。「路上園芸マニア」としてマニアブログフェスタにも参加中)

 

松澤のイチオシ記事

(1)「森川ゴム工業所 health メッシュサンダル ポケッター(便所サンダルマニア・便所サンダル専門通販便サン.JP)

<記事概要>
便サンでおなじみの森川ゴム工業所がつくっている、メッシュサンダル「ポケッター」。かつて「お姫様シューズ」や「ガラスの靴」と呼ばれ流行したが、最近CanCamに取り上げられたことで、再ブームに。この記事では、そんなポケッターを、詳しく紹介。

 

松澤このブログでは、一つ一つの便所サンダルを図鑑みたいに説明してるんですよ。この記事で取り上げている「ポケッター」は、こういう商品です。

 

 

松澤:この「ポケッター」が、なんとCanCamのウェブサイトで取り上げられたことで、ファッショナブルな女子の間でブームになって、最近注文が殺到してるんですって。

 

齋藤:あの、エビちゃんのCanCamで!?

 

村田:オシャレ女子のバイブルですね。

 

松澤:もともとポケッターは昭和の時代に人気だったらしいんですが、しばらくブームが落ち着いて、またブームになって。流行って回転するものなんだなっていうのが、ポケッターを通してわかりました。

 

村田:言われてみたら、小学校の頃流行ってましたね。

 

齋藤:流行って20年周期で回転するっていう話を聞いたことがあって。僕がいま感じているのは、YouTuberの「フワちゃん」です。あの人、「令和のシノラー」って言われてるんですよ。

 

村田:確かに、「シノラー」が流行って20年くらいですね。

 

齋藤:また20年後にも「シノラー」みたいな人が出てきますよ、絶対。

 

 

(2)新時代の蕎麦がきのリアル。「リモート蕎麦がきとは何か?」」(蕎麦がきマニア・石井公二)

<記事概要>
蕎麦がきマニアの石井公二さんが「リモート蕎麦がき」を開催。マニア夫婦2組と石井さんの3拠点をZOOMでつないで同時に蕎麦がきを作って食べるという、世相を反映したイベントとなった。

 

松澤石井公二さんは、道に落ちている手袋を十数年取り続け分類し、世界を読み解く「片手袋マニア」ですが、今回のマニアブログフェスタには「蕎麦がきマニア」として参加されています。

蕎麦がきはずっと存在しているのに、一度もブームになっていない。存在しているのに見えていないものなので「蕎麦がき=片手袋だ」ということらしいんす。

 

村田:石井さんの研究はどこまでいくのか…

 

松澤素知らぬ顔をしていますが、齋藤さん・村田さん夫婦が、リモートで蕎麦がきを作ったんですよね。

 

齋藤村田はい、やりました。

 

 

松澤:まず面白かったのは、蕎麦がきづくりを通して、それぞれの生活が覗けたことですね。

 

村田:覗かれちゃってましたか。

 

松澤たとえば調味料を用意するときの小皿は、普通だと12個もないですが、石井さんちはお母さんやお子さんもいらっしゃるので、ビシッと数が揃っている。

 

 

村田:なるほど、お皿の数とかから見えてくるんですね。

 

松澤:もうひとつは、「同じものを同じタイミングで食べることが、人を仲良くさせるんじゃないか」ということ。オンライン飲み会だと、同じものを同じタイミングでつつけないのが味気ない。居酒屋で集まって呑む重要なファクターって「同じものを同じタイミングで食べる」っていう、味覚や五感の共有っていうのがあるんじゃないかって。

 

村田:「同じ釜の飯」って言いますもんね。

 

齋藤:リモート蕎麦がきでは、同じ調味料をつけて同じタイミングで食べて、感想を言い合って採点していったことで、遠いんだけど近いような体験でしたね。

 

松澤:それが記事越しにも感じたんですよ。なにせ、映っているみんなが幸せそうな笑顔でね。

 

齋藤:そんなまとめですか。

 

(3)「街角転職鉢コレクション」(路上園芸マニア・村田あやこ)

<記事概要>
街角の園芸活動を鑑賞する筆者が、鍋や樽など、もともと別の用途で使われていた容器が植木鉢として転用された「転職鉢」を、写真とともに紹介。

 

松澤:植木鉢として植物を植えられるためにつくられたものじゃなく、別の用途で作られたものを再利用したものを色々紹介している記事ですね。単純にあるある!って感じもするし、レアなものを見ると面白いですよね。

 

 

松澤:写真の左は鍋?

 

村田:家主の方いわく、鍋に穴を空けて鉢にしたっておっしゃってました。サボテンがどんどん増えちゃうから、写真以外にもお弁当箱とか、ありとあらゆる容器が鉢になっていました。

 

松澤:なるほど、いちいち植木鉢に植えている暇がないんですね。特に面白かったのが、浴槽で育てている植物。

 

 

松澤:もともと植物って生き物ですけど、犬や猫にくらべると人間のメタファーとしてあまり見ていないフシがあるじゃないですか。でも浴槽に入った植物を見ると、なんか生き物っぽさを感じて生々しかったですね。お風呂入ってるみたいで。

齋藤その人の趣向が見られるのも面白いなと思いました。記事の中で釜飯「おぎのや」の鉢が何個も並んだものもあって、よっぽど釜飯が好きなんだなって。

 

松澤:あそこまでしっかりした容器に入ってると、捨てづらいっていうのもありますよね。

 

齋藤:捨てるなら鉢にしようって。

村田のイチオシ記事

(1)「小屋日記11北海道の番屋 その2 番屋の内部を見せていただく」(小屋マニア・小屋愛好会)

<記事概要>
小屋マニアの小屋愛好会さんが北海道でふと訪れた小屋は、なんと30年前の高校時代に修学旅行で列車の車窓から眺めた小屋群だった。小屋の中に広がるのは、生業や生活でカスタマイズされた空間。30年の間、淡々と小屋の中で積み重なってきたであろう日々を想像すると心震える記事。

 

村田:この記事では、なかなか入る機会のない小屋の内部を見せていただくっていうのが、まず面白くて。

 

 

松澤:上からやかんを吊るしたりするの、工夫って感じがしますね。

 

村田:作業のための効率重視でありながら、その中にも少し趣味が見えたりするのが面白いんです。

 

齋藤機能美って感じがしますね。

 

村田:まさに、その人の生業や生活でカスタマイズされた空間。記事の一番最後に、「ここの人にとってはうつつでも、私にとっては夢のような不思議な場所、不思議な時間だった」という一節があるんですけど、誰かの生活や生業ってまさに別世界だな、と。

 

齋藤一つ前の記事を読むとわかるんですが、この小屋はなんと、遠藤さんが高校時代に修学旅行で北海道沿岸部を通ったときに車窓からみた小屋で。30年生きてきた中にずっとその小屋があって、昔の思い出の場所がいま目の前にあるっていうファンタジー感が、すごくよかったです。

 

(2)「「顔ハメ姿」を自撮りするようになる」(顔ハメ姿を裏から撮るマニア・裏パネOLらんちゃん)

<記事概要>
顔ハメ看板にハマる自分の後ろ姿を撮る、裏パネOLらんちゃん。どうして顔ハメ姿を撮るようになったか、活動のきっかけについて書いた記事。

 

村田通常、顔ハメ看板はハマった姿を正面から撮るものですが、らんちゃんは、顔ハメ看板にはまる自分の後ろ姿を撮影しています。

華やかな顔ハメ看板の裏側の姿を見れるのが、まず興味深いんです。コンクリートブロックが無造作に詰んであったり、ビールのケースが土台になっていたり。

 

 

村田:そして、らんちゃんの写真も好き。「裏パネOL」という肩書で、OL的な服装を身にまとってますが、写真の構図や文章を含めてバランスが絶妙で、品があるんです。

 

松澤:女性ファンもすごく多いですからね。

 

村田:働く哀愁や、OL的なものを身にまとう哀愁にも、すごく共感ができるんです。

 

松澤同じ顔ハメ看板でも、裏から撮るのと表から撮るのとでは、全然意味合いが違ってきますよね。

 

齋藤人間を写しているようでいいですよね。裏から見ると滑稽に見えるっていう。客観性も品もあって、素晴らしいですよね。

 

(3)「やさしさがスゴイ!鉄塔と鳥のはなし」(鉄塔マニア・鉄塔ファン)

<記事概要>
鉄塔の上には、鳥が巣をつくることがある。場所によって感電してしまうこともあるため、なんと電力会社は、鉄塔の中にわざわざ鳥が巣をつくるためのネットを設置することがある。この記事では、そんな電力会社の優しさを感じられる「営巣誘導ネット」を紹介。

 

村田電力会社さんの優しさで、鳥が感電しないように予めかごを設けておくっていう発想がいいなと思いました。

 

松澤なんで巣をつくっちゃうんですかね〜

 

 

村田街中でたまに、ツタに覆われた家ってあるじゃないですか。ツタって自然の中だと森の外を覆う性質があるので、建物を森に見立てて覆ってるっていう話を聞いたことがあります。

そう考えると、鳥は鉄塔を巨木に見立ててるのかな、と。人間以外の生き物からすると、街の風景は違って見えるのかな、ということも感じられて、面白かったですね。

 

齋藤鉄塔ファンさんと一緒に歩いて、鉄塔は見えるようになっても、鳥の巣ネットにまでは気づかなかった。この記事は、さらに一歩、解像度が高くなった視点だな、と感じました。

あと、自分が見えていない世界に優しさがあるというところに、世界は捨てたもんじゃないなと思いましたね。

 

村田:鉄塔ファンさんの最新の記事によると、ギザギザした鳥よけのとか、必ずしも優しさだけじゃない対策もあるみたいなんですが…

 

齋藤:それもまた世界ですね。

齋藤のイチオシ記事

(1)「はじめての挑戦 ~さざれ石状の黒曜石をネット販売してみる~」(黒曜石マニア・神津オブシディアンラボ 林)

<記事概要>
黒曜石に魅せられるあまり、黒曜石の産地である神津島に移住した神津オブシディアンラボ・林さん。島内にある、黒曜石が敷き詰められた「オブシディアンビーチ」
で採れた黒曜石を、なんとマルシェルで販売開始!

 

齋藤:黒曜石は、こういう石です。

 

 

村田:きれい。

 

齋藤石器時代に、槍や肉切り用の石器として重宝された、貴重な石なんです。

林さんは大学時代に考古学専攻で、黒曜石を研究されていたんですが、卒業後も黒曜石に四六時中触れていたいからと、神津島に移住。そのまっすぐな行動に惹かれたのが、一つのポイントですね。

 

松澤:以前神津島を取材した時、林さんの採石にも付き合ったんですけど、まあとんでもないところで。冒険でしたよ。

 

 

松澤:写真だと平らに見えるけど、すごい角度なんですよ。70度か80度はあったよね。

 

齋藤:山を延々降りていくと、黒曜石がゴロゴロある海岸にたどり着くんですよね。

 

 

齋藤:この海岸に、林さんが「オブシディアンビーチ」と呼ぶ、黒曜石がさざれ石状になった浜があって。林さんとっては宝の山なので、リュックに黒曜石をたくさん詰めて帰るわけですが、帰りはまた山道を登っていかなきゃいけないので、死に物狂いなんです。

 

 

松澤:まったく動けなくなったことがあるって言ってましたもんね。

 

齋藤:その海岸で採った黒曜石を今回マルシェルで販売しはじめたので、私も買いました。これがあの海岸から送られてきたんだと思うと、いいですよね。

 

松澤:一緒に行ったことがある場所だと、なおさらですよね。

 

齋藤:黒曜石の石言葉は「摩訶不思議」。考古学的にも、まだ解明されていない謎が多いらしくて。そういう摩訶不思議な石にとりつかれた林さんっていうのも面白いなって。

商品を買うことで応援したいと思い、選びました。

 

(2)「シャッターパズルで遊ぶ」(シャッターマニア・シヤッター写真家)

<記事概要>
シヤッター写真家さんのオリジナルグッズ「シャッターパズル」。無地のシャッターをパズルで組み立てていくという、一見難しそうに見えるパズルの攻略法を、ステップごとに丁寧に解説。

 

齋藤:シヤッター写真家さんは、その名の通りシャッターの写真を撮って、シャッターの「物悲しくなる楽しさ」を提唱している方。そんなシヤッター写真家さんがつくったシャッターパズルが、こちら。

 

 

村田:難しそうですね。

 

齋藤:なんと無地。ばらばらにするとこんな感じです。

 

 

松澤:あー、なるほど、なるほど。

 

齋藤:松澤さんは、自粛期間中にパズルやってたんですよね。

 

松澤:2000ピースのノートルダム大聖堂をつくったあと、1000ピースのラッセンの夕暮れのイルカ、最後の締めに真っ白なパズル。100時間以上、パズルにつぎ込みました。

 

村田:シャッターのパズルを見たら、腕がなりますか?

 

松澤:最初はこんなに難しいのないだろうって思っていたんですが、今見ると結構手がかりあります。すごい解きやすい、これは。

 

齋藤:難しそうに見えるんですけど、この記事では、こうやったらうまくいくよっていう解き方を解説してくれています。一見できないよと思うんですけど、やったろかいって。こんなにやる気にさせるパズルはない。

 

松澤:挑戦意欲を掻き立てられる。

 

齋藤:もう一つは、影で暗くなったところを手がかりにするという攻略法「色黒イレブン選抜総選挙」。

 

 

松澤:よく見ると同じに見えて、色味が違うからね。ラッセンのパズルも、夕暮れ空と夕暮れが照らした海が全部オレンジで、最初は同じと思っていたんですけど、よく見ると違いが見えてくるんですよ。

 

村田:極めし者の目。解像度が上がるんですね。

 

松澤このパズルをやったら、シャッターの見方が変わると思いますよ。

 

齋藤:たしかに。パズルをやっている30〜40分間、ずっとシャッターと対面するわけですからね。

 

松澤:「これで2000ピースやってみたい」っていうコメントがきましたけど、俺もそう思いました。2000ピースあると、3、40時間はかかるので、シャッターのことが心にしみてくると思います。

 

齋藤:嫌いになるでしょ、もう。

 

松澤:なんないよ。今、ラッセン大好きだもん。

 

齋藤:大好きになっちゃってるんだ。

 

 

(3)「巣鴨駅の思い出 2008-2019」(野良サインマニア・ちかく)

 

<記事概要>
駅員が独自につくった駅の案内表示などの「野良サイン」を観察するちかくさん。野良サインを意識しはじめた2008年から2019年まで、足掛け11年観察し続けた、巣鴨駅の野良サインを紹介。

 

齋藤:ちかくさんは、公式のサインシステムにカスタマイズしてつけられた案内表示を「野良サイン」と呼んで観察されています。

 

 

齋藤:この記事は、巣鴨駅の野良サインを11年に渡り観察したという内容です。

公式の表示だけだとわからないときに、駅員さんが独自に野良サインをつけている側面があるんですけど、たしかに巣鴨駅って「おじいちゃんおばあちゃんの原宿」と呼ばれているところなので、野良サインのやりがいがある。巣鴨駅は野良サインの聖地っていうのがわかりました。

もう一つのポイントは、野良サインがでかくて、たくさんあり、かつ勘亭流っていう江戸文字。

 

 

松澤:齋藤さん、いま勘亭流習ってるんですよね。自宅にいっぱい野良サイン描いたらどうですか。

 

齋藤:ジジイババアになったら、バリバリ貼りたいですね。

 

村田:マニアフェスタ会場にも貼ってください。

 

齋藤:この記事は11年っていう長さで見てるので、時系列変化も面白いんですよ。2009年は、「出口専用」って色んな所に貼ってある。

 

 

松澤:出口から無理やり入ろうとする人がいるんだろうな。

 

齋藤:2019年になると、こう。

 

 

齋藤:右の柱は刷新されてオフィシャルになっているけど、奥の「出口専用」は、11年そのまま。公共のオフィシャルなものより、野良サインが長生きしている。

 

松澤:オードリーのオールナイトニッポンより長く続いてる……!

 

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ではでは、また6月にお会いしましょう〜!